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快楽の奴隷
第11章 文士と絵師
裸で抱き合ったままキスを解かずに浴室に入る。
溜めておいた湯がしっとりとした水蒸気で室内を蒸らしていた。
少し冷えた身体はその温もりで幸せを感じる。

高梨はシャワーノズルを取るとお湯で二人の身体を濡らした。
そしてボトルからボディーソープを出し、彼女の背中を優しく撫で洗う。

「んっ……」

指先は洗浄よりも性感を意識した動きだった。
滑らかな泡が背中を覆い、背骨の膨らみやわき腹、腋の下を小説家の指が擽る。

「ふぁ……くすぐっ……たいっ……」

掻痒感に思わずキスを解いて仰け反る花純。
高梨は泡まみれの手で腹部、臍、乳房を撫でていく。
撫で洗いに夢中になった彼はシャワーノズルを床に放ってしまう。
湯を放出したままのノズルは水圧によって足許で小さく転がる。
生真面目な彼女はお湯を止めようと手を伸ばすが、
それがよくなかった。
屈んで尻を上げた途端、高梨の悪癖を誘発してしまう。
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