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快楽の奴隷
第5章 二人責め
少し不快な声を出されて花純は質問を後悔していた。
しかしこれだけの豪邸に棲んでいるということが不思議でつい訊いてしまった。

「この間も言ったと思うが、俺は暇潰しで官能小説を書いている。この家も含め、俺は親の遺産で生活しているようなものだ」

つまらなさそうに告げる。

「親が死ぬまでは普通に働いていたけどね。親の残した土地やマンションの管理もあるから相続と共に会社は辞めた。とは言え管理なんてそれほど忙しいものではないから、暇潰しに官能小説を描いてるというわけだ」
「そうなんですか。すいません、立ち入ったことをお聞きしてしまって」
「いや……別に構わない。つまらない話だからな。ちなみにあいつは執事の曽根だ。親父の頃から働いている。まあ今はそれほど世話も要らないから通いで来てもらっている」

紹介された執事は「曽根です」と言って頭を下げた。
その顔は高梨と違い、太い眉や厚めの唇から誠実さが感じられた。
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