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快楽の奴隷
第5章 二人責め
「君が知りたかったのは官能小説家の収入だったっけか? 悪いが興味もないから知らない。私の作品なんて相当売れて五万部だ。大した収入もないんじゃないか?」

自虐的に答えて笑う高梨に、「『嗤(わら)う人形』は五十万部売れてます」と執事の曽根が付け加えた。

「嗤う人形! あれは私も先生の作品の中で一番好きです! 高校生の頃あの作品を読んで、それから先生の大ファンになりました!!」

花純は顔を綻ばせて声を弾ませる。
しかし高梨は顔を強張らせて花純を睨んだ。

「…………二度と先生と呼ぶな。俺は先生と呼ばれるほど馬鹿じゃない」
「す、すいませんっ……」

あまりの迫力に花純は思わず口から謝罪の言葉が飛び出していた。

「金の話はさておき、もう少しロマンのある話でもしよう。折角の時間がもったいないだろう?」
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