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美しい狼
第10章 乳飲み子
俺は
夏目に膝枕された状態で
頭を抱えられ
横抱きにされた

そもそも
大きさが釣り合わない
母親よりデカい赤ん坊がいるかよッ!!
心の声は叫んでいたが
しばらく
成されるがままにされていた

すると
夏目は
シャツのボタンを開け
俺の頭側にある
右胸を
ブラから取り出した

張りのある
たゆんとしたおっぱいと
ツンと上を向いた乳首が
俺の顔のすぐ真上にきた

ゴクリ
生唾を飲み込む

すると
夏目は
俺の背中をポンポンと
叩きながら
揺りかごの様に
身体を揺らし
子守歌を歌った

「愛しい私の坊や
 泣かないで
 朝はお日さま
 夜はお月様
 坊やの行く道を照らしているよ」

その歌声が
あまりにも優しくて
母親が恋しいと思った

気づけば
自然と目を閉じていた

そして本当に
赤ん坊に戻ったように
手でお乳を出すようにして
乳首に吸い付いていた

おっぱいなんて
出やしないのに
夢中で
吸い出していた

その間中
夏目は
子守歌を歌い
背中をさすったり
髪を梳いたり
本物の
母親のようだった

これが
母親の温もりなんだ
無償の愛に包まれる安心感
絶対的な存在

俺は
いつの間にか泣いていた

夏目の前では
涙腺が決壊する
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