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美しい狼
第20章 かき氷と欲望
乱れた浴衣が
月夜に照らされ
更に色香を増す

俺は
人の気配を感じて
一気に熱が冷めていく

下世話な野郎どもに
夏目の痴態を見せてやるものか

急に動きを止め
浴衣を直し始めた俺に
夏目は
冷めない欲情の瞳を向けてくる
そんなエロい顔すんじゃねぇよ
バカ夏目

「要様……」

夏目の耳元に
そっと唇を寄せて呟く

「お前が、覗き魔どもに見られながら
 処女喪失したいっていうなら
 続けるけどな…」

「ッ!!」

状況が飲み込めた夏目は
慌てて浴衣の前をギュッと握り締めた

「ほら行くぞ…」

手を差し伸べたが
夏目は俺を恨めしそうに
睨むだけで
一向に動く気配がない

「なに?お前
 見られた方が興奮するわけ?」

「ちっ違います!!
 その……
 ……んです」

「えっ?」

「ッ…立てないんです!!
 要様のせいで腰が抜けちゃって///」

まったく
手の掛かる女だな…

俺は
夏目を躊躇いもなく
お姫様抱きをした

「首に手を回さないと落ちるぞ」

顔を真っ赤にさせて
口をパクパクさせてる
夏目を無視して
俺は屋敷へと帰った
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