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危険な相部屋
第19章 練習
次の日のお昼休みの事だ。
今日は龍牙と拓海君が委員会の集まりで、桃ちゃんと二人だけだった。
「奈緒さぁ、今日なんか元気なくない?」
「そうかな…?」
実は昨日の失敗をまだ引きずっていた。
「わかった!彼氏と喧嘩した!?」
「違っ…って!彼氏とかいないし!何で彼氏!?」
もしかして…桃ちゃん…私の事女って薄々気が付いてるのかな…。
「えー?だってさぁ、奈緒とだったら男でもヤッて良いって奴いっぱいいると思うよー?彼氏とかいてもおかしくないかなって思って」
「そんなっ…そんな人いないよ…」
すると、桃ちゃんは私の顔を覗き込む。
「…本当に?」
「…」
「せっかく奈緒は僕の気持ちわかってくれると思ったのにな…」
「え?」
「僕ね、実は同じクラスに好きな人いるんだよね」
同じクラス…?
よく考えた。
同じクラスって事は桃ちゃんって男の子が好きって事!?
「引いた?」
「ううんっ…そんな事ないよ…えっと……それなら気持ちわかるかも…」
せっかく桃ちゃんがカミングアウトしてくれたんだもん…。
自分が女とは言えないけど、彼氏がいるって事は私もカミングアウトしよう。
「実は…誰かは言えないけど…俺……付き合ってる人がいるんだ」
「やっぱり一緒だぁ」
桃ちゃんは嬉しそうにそう言って私に抱き着いた。
さすがに龍牙に迷惑掛かっちゃうから相手が龍牙とは言えない…。