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第56章 頼れる２人。

『藤川ちゃん...。ごめん...。
俺がもっと早く気づいていれば..
藤川ちゃんが傷つけられる事は無かったのに..
あんな噂のせいで、余計に傷つけられて苦しかったよね..本当にごめん...。』


俯きながら謝る立花くんの瞳からは、一筋の涙が零れ落ちた。


「立花くん‼︎やめてよ‼︎そんな..立花くんが謝る事なんて無いじゃない‼︎」


碧は向かいに座る立花くんの肩を、ポンポンと優しく叩きながら柔らかい声で話しかけた。


『立花くんが結愛ちゃんのことをそうやって考えてくれていて彼女の心は救われてるよ？

周りに流されない君の心も、その強い意志も俺は尊敬する。』


碧の言葉って…
どうしてこんなにも人の心を温かく包み込むんだろう。


『一之瀬先輩。
ありがとうございます..。
俺も先輩の言葉に救われました。』


瞳を揺らしながら碧を見る立花くんの表情は、穏やかな顔をして微笑んでいた。