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第9章 束縛と自由

そうやって何度も何度も悪魔を追い払いながら、

次第にただ大希さんの与えてくれるもどかしい気持ちよさ以外

何もなくなった頃……

彼の髭が内腿をくすぐり、それからゆっくりと指が潜りこんできた。

一気に躰の温度が跳ね上がる。

その時が近づいていることを否が応でも意識させられた。

複数の指が細かく撫で擦って丁寧に私の躰を開いていく。


蕾に口づけられて、グジュっと大きな音を立て吸い上げられた時、

ガクッと腰に震えが走る。

自分の下の口からドロッと淫らな雫が零れ落ちるのを感じ、

顔にカッと熱が上がってくる。

そのまましばらく動きが止まって……

見られていることを意識した。

でもそんな恥ずかしい感情を噛みしめる間もなく、

舌先が蕾の周りを滑らかに動いてグリグリと押し付けられ…

湧き上がる震えで両足に踏ん張りがきかなくなり

大きく足を開いたまま躰の奥底から漏れ出る感じたことのない高揚感に、

心底怖くなった。


自分が自分じゃなくなる……

その何かから逃れようと身を捩った時、

大希さんは私の両腿を鷲掴み自分の方に引きずる。


そのあまりの力の強さに私は躰を完全に引き、

快感にぼんやりとしながらもその力の主を睨み付ける……


意識がはっきりしてきたとき視界に写ったのは

口元を濡らし艶やかに眉根を寄せた険しい顔の大希さん。