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藍の果て
第10章 任務

そのバーは酒好きの人間が集まる場所以外にも、出会いの場所、情報交換所としても、利用されている場所である。
何か内部での怪しい動きは無いか、今までだって先輩兵士と同席し取り締まった事もあった。



「また、取り締まりという事ですか?それなら僕を通さず、兵長に掛け合う方が早……」


「貴方に行って貰いたいそうよ」



リオの言葉を待たずして、目の前の彼女は強調するような強い口調で断定した。
一枚の紙きれを見つめ、リオは考え込んだ。
これを独断で決めて乗り込んでも大丈夫なのだろうか?いくら、シルヴァの婚約者だとしても、だ。



「すみません。やっぱり、誰かの確認を得ない事には……」


「サラさんにも話したわ。行かせるなら、貴方が良いって推薦されて……だから、シルヴァ様の言伝を、ここに持って来たのよ」


「サラも?」



「えぇ。貴方なら、警備を任せるのも安心だって。決して無理はしなくても良い、危なくなったら戻ってきても、と」



「……」



サラは長年シルヴァの下で間者としても鍛え上げられてきた期待されている戦闘員の一人だ。
時に変態的な発言も多いが、バルトやシルヴァの事も誰よりも良く分かっている。
彼女が推してくれたのなら……。



「分かりました。その任務は僕が向かいましょう。陛下には、その事をお伝えして頂けますか?」


「えぇ。分かりました」



彼女も必死の説得だったのだろうか、一気に力が抜ける様に張った肩を撫でおろす。
小さく頷くと、両手を口元で合わせながら、名案を思い付いた口ぶりで続ける。



「そうだわ。潜入捜査ですもの……、女性の恰好をして行ってはどうかしら?」


「は……。何を仰っているんですか?女の格好だと、何かあった時に上手く戦う事が出来ませんよ」



「だけど、情報を聞き出すには……油断させる様な姿の方が、向こうも警戒心を解いてくるんじゃないかしら?

それに、シャーロンさんは剣術だけでなく、武術も優れていると聞いていますし」



「……それは……陛下が?」



「勿論です。大変褒めておいででしたわ。優れた<兵士>の一人だと」




シルヴァが、自分を認めている?
にわかには信じがたい彼女の言葉に、ブルーの瞳は伏せられる。
しかし、もしそれが真実ならば……、応えたいと考えている自分も居る。
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