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藍の果て
第10章 任務

リオは、サラの元を訪れていた。
彼女もまた承知の事だったのだろう、二つ返事で自分の部屋へと招き入れる。


「いらっしゃい、リオ君。素敵なのを用意したのよ」


「はぁ……」


元々、こういった情報収集は場数を踏んでいるサラの方が、余程自分より適している。
女性らしい凹凸のはっきりした魅惑的なスタイルに、大人びた雰囲気を漂わせる佇まい。
同性としても、経験としても、何一つ勝るものなど無さそうに思えるが……


目の前のサラは一人盛り上がって、ベッドに色とりどりの衣装を並べていく。


「これも良いわね」

「あらっ、これも素敵。リオ君には似合うわ」


クローゼットに顔を突っ込む勢いでサラは、初デートの様に浮かれている。
これは、初デートでも無ければ、決してサラの任務でもないのに。


結局リオは散々着せ替え人形の様に扱われ、選ばれたのはパステルカラーのパープル色のワンピースだった。
全体的に色素の薄く、線の細いリオに淡い彩りの衣装は、彼女の隠れた女性らしさを際立たせた。
鏡の前で、髪をおろした姿は既に誰も疑う事も無く、ありのままの性別を映し出している。




「綺麗ね、リオ君。本当に嫉妬しちゃいそうな程、女の人に化けてるわ」


「そんな事……」


サラにとっては褒め言葉なのだろうが、性別を八年間偽り続け、これからもそうしていかなければならないリオにとっては複雑でしかない。




「これなら、標的に会っても騙し通せるわ」




「標的?標的ってザラスの人間?」



「……それが、ね……。妙な情報なのよ。正直、貴方に行かせるのは迷ったのだけど」




珍しく言い淀んでいるサラの様子が不思議で、リオも次がれる言葉を待っては首をかしげる。


「どういう事?」



急かされる答えに一度小さく溜息を零してから、彼女は口を開いた。



「シルヴァ様の婚約者の彼女は知っているでしょう? あの御方が以前、バーに行った時にね……妙な男を見かけたらしいわ」



「妙?」



「えぇ。バルトの国王の事をしきりに調べていた男……男は、<ロン>と名乗って居る白人種の男で……」


リオは黙って聞いていたものの、次の瞬間に耳を疑う結果となってしまう。



「その男の瞳は、燃える様な赤い瞳……だったそうよ」
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