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彼と彼女の色々な関係~君に溺れて~
第5章 願い事~莉愛菜~
織姫と彦星が年に一度だけ会えるこの日――――――
ベッドルームのベランダで空を仰ぐとキラキラと星が瞬いてる。
このお屋敷は広すぎて、近くに街灯もあまりないから夜になると真っ暗。
そのお陰かとても綺麗に星が見えた。
「綺麗……」
思わず呟いた。
小さなあたしの呟きは真っ暗な闇の中、唯一浮かぶ小さな光達の元へ登って行く。
今日は七夕。
「見えるもんだなぁ。天の川。」
この周辺は閑静な高級住宅街。
だから静かだし夜は暗い。
けど、一応繁華街なんかは夜中でもキラキラとネオンが輝いている所謂都会に近い場所。
それでも暗くて天気が良ければ見えるんだ。
さっき目覚めてしまってぼーっとしていたら今日は七夕だと思い出し、ベランダに出てきたのだ。
「見れてラッキーかもっ。」
あたしは頬を緩める。
これを愛しい人にも見せてあげたいけど、気持ち良さそうに寝ていたからそっとしとこう。