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その瞳に…
第14章 お互いの気持ち
意外と普通の値段もあるんだ、と舞奈はほっとした。と、同時にホテルを案内してくれた女性の言葉を思い出す。


『『一般料金の友人割引で、50%OFF!これ以上はどんな部屋でも君からは貰わない。それでも嫌なら、利用させないから!』との事です。ご理解戴けませんと、ホテルから追い出せ、とも言われております』

(って事は…)

「先生…じゃあ私達、こんな豪華な部屋を使ってるのに、もしかして…値段て一万、ですか…?」

舞奈は恐る恐ると大河に問いかけると、大河は苦笑した。

「そう言う事だ。あの馬鹿は本当に無茶をする」

あんぐりと舞奈は口を開く。

こんな豪華な部屋を一万円でぽんと貸し出すなんて、鳴滝さんて本当にどんな人でどれだけ先生のこと好きなんだろう…そう思った。

そして、もう1つ思った事を舞奈は、ポロっと口に出してしまった。

「鳴滝さんて、そのうち先生になら抱かれても良いなんて言いそう…」

大河の眉がピクリと動くのを見て、舞奈はしまった!と手で口を押さえるが、もう遅かった。

「僕は男色の気はないからね。そう言う事を言われても嬉しくないんだが」

顔は笑っているが、目が笑っていない大河の迫力に舞奈はジリジリと横に移動するが、そのまま大河に押し倒されてしまう。

「や、あのそゆ訳ではなく…ただ仲が良いな~的な?じょ、冗談ですよ~…」

舞奈は必死で言い訳をするが、大河の笑顔は変わらなかった。

「鳴滝にどれだけ好かれても、僕は答える気は無いしね。と、言うか冗談でも、そんな事を考える人には…」

「へ?っきゃ!?」

舞奈はいきなりグイっと大河に抱き抱えられ、声をあげる。

「食事までまだ時間はあるから、僕が誰を好きかお仕置きついでに、たっぷりとベッドの上で教え込んであげるよ」

ニヤリと不適に笑う大河に、舞奈は、

(ほんとに、壊れちゃうかも…)

と、不安になりながらも、ハハ…とひきつった笑いをするしか出来なかった。


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