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その瞳に…
第20章 戻ってきた日常
舞奈は由美の口を手で塞ぎ、誰かに聞かれてないか、周りを見渡すが、誰もこちらを気にして無いことがわかり、ほっとする。

「由美ちゃん声!」

ヒソヒソと小さい声で諌める舞奈に、由美は手をどけごめんごめんと軽く謝る。

けれど、由美の視線は大河にいったままだった。

「へえ~なかなか♪いいねぇ、眼鏡にスーツ♪それに腹黒。最高じゃん!」

そう言えば、由美は眼鏡とスーツをこよなく愛する人間だったと、舞奈は思い出す。

そう考えると、大河は由美の好みそのままだと思い、舞奈は由美に釘を刺す。

「先生狙っちゃダメだからね」

由美はふふ~ん、と楽しそうに笑いながら、

「だぁいじょぶ、人のもんになった奴は、目の保養にするだけだから♪あと、ネタにするだけだから♪」

最後の言葉に舞奈は、必死で食いつく。

「ダメだからね!ネタにするのも無し!」

その言葉に、由美はえ~と不満げに洩らす。

「鬼畜眼鏡なんて、格好のネタなのに…」

「ぜぇっっっったいに、ダ・メ!!」

念を押す舞奈に、由美はハイハイ、と適当に返事をする。

舞奈は少しだけ、信用出来なかったが、これだけ念を押しとけば、大丈夫だろうと、怒るのを止めた。

「あ、ダーリンがこっちくる」

え?と舞奈は正門を振り替えると、本当に大河がこちらに向かって歩いていた。

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