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その瞳に…
第20章 戻ってきた日常
(あ!)

正門には、大河と他二名の教師が立って、生徒達を見送っていた。

舞奈は大河の顔が見れただけでも嬉しくなり、小走りに正門へ向かった。

「先生、さよなら」

明るく挨拶する舞奈に、大河は少しだけ微笑み、

「はい、さようなら。気を付けて帰ってください」

と、声をかける。

他の教師達も、

「気を付けてね」

と、舞奈に声をかける。

舞奈は、『はーい』と返事をしながら正門を出ると、目の前の道路の脇に見慣れた車がある事に気がついた。

(あれ?)

と、思いながら舞奈が車を凝視してると、運転席のドアが開き、女性が降りてきた。

「やほ」

「え?由美ちゃん!?」

片手をあげ、舞奈に声をかける由美に舞奈は驚く。

「え?なんで?どしたの?」

小走りで由美に近づき、舞奈は質問する。

そんな舞奈に、由美はにやりと笑いながら答える。

「夕べ、兄さん所に、あんたの彼氏から電話来てね~。叔父さん達が帰って来るまで、うちに泊めてあげれないか、って頼んで来たのよ」

由美は、車に寄りかかりながら、続ける。

「夕べの話は軽く聞いてね。荷物とか運ぶに車出したんだけと、兄さんだとアレだから、私が向かえに来たって訳。」

由美の言葉に、舞奈は正門にいる大河を見る。

(夕べの電話、啓ちゃんだったんだ…先生、私の為に…)

少しだけ、一人の家にいる事が怖かった舞奈は、大河の心遣いに胸が熱くなる。

(先生…ありがとう…)

舞奈は心の中で大河にお礼を言う。

「ほお、アレが件の彼氏か」

そんな舞奈を知ってか知らずか、由美は舞奈の肩に顔を乗せ、視線の先にいる大河を見る。

「バッ!由美ちゃん!」

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