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その瞳に…
第21章 秘密の文化祭
あれから一週間。何事もなく、無事に文化祭を迎えた。

土曜日は生徒のみ、日曜日が一般公開だが、花の展示が終わると、特にやることもない舞奈は、友人達と文化祭を見て回った。

校内には、彼氏を招待した子が多く、手を繋いだり、腕を組んだりしながら歩く生徒を見ると、舞奈は少し羨ましく感じた。

友人達と回る文化祭は、とても楽しい。はしゃいでいるときは、大河の事を思い出す事もない。

けれど、ふとした瞬間、大河を思いだし、一緒に文化祭を過ごしたくなる。

仕方の無い事だとわかっていても、もどかしくなる心に、自分はこんなにも強欲だったんだと、舞奈は思う。

文化祭も後少しで終わりに近づいた時、舞奈のスマホがスカートのポケットで震える。

メールの送り主を確認すると、大河からだった。

舞奈は、友人に断りを入れ、トイレに向かい、メールを確認する。

『後夜祭の時、化学準備室までこれますか?』

短いメッセージ。

一般公開の日は、文化祭終了後、グランドで後夜祭が行われる。

基本全員参加だが、恋人が来ていた生徒はそのまま帰ってしまう子もいる為、教師も特にチェック等はしたりしていない。

舞奈は、高鳴る胸を押さえ、すぐに返信する。

『大丈夫です!必ず行きます!』

トイレの中で少し待つと、大河から返事が届く。

『わかりました
化学室の鍵は開けておきます
入って来るとき、必ず鍵を閉めるように』

舞奈は、メッセージを読むと、ドキドキしながら、スマホを握りしめた。



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