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第24章 嫌悪と恐怖

(先生に、連絡しなきゃ…)

舞奈は、鞄からスマホを取り出すが、指が震えて上手く動かせずにいた。

舞奈は、また涙が溢れ、ぎゅっと自分の体を力一杯抱き締める。

(何で…あんな…)

渡辺が何故あんなにも自分を追い回すのかも解らず、更に渡辺の愛撫に少し感じてしまった自分に、嫌悪する。

あそこには、まだ少し渡辺の指の感触が残っており、舞奈はそれにも、嫌悪した。

ガチャっと扉が開き、反射的に顔を上げると、そこには、グラスに入ったオレンジジュースと、お手拭きが乗ったお盆を持つ啓介がいた。

啓介の姿を確認した舞奈は、ほっと体の力が抜ける。

「これで、顔拭いて、ジュース飲んで落ち着こう？」

舞奈は啓介からお手拭きを受けとり、目に当てる。

温かいお手拭きは、腫れた舞奈は目にじんわりと染み込んでゆく。

その間、啓介は舞奈の隣に座り、優しく背中を撫でてくれていた。

舞奈は目からお手拭きを外し、ジュースを飲むと、やっと落ち着きを戻す。

「ごめん、啓ちゃん。いきなり…」

その言葉に、啓介は静かに首を振る。

「もう、話せそう？俺が聞いても平気？」

コクンと、舞奈は頷き、ゆっくり口を開いた。