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その瞳に…
第24章 嫌悪と恐怖
舞奈は、渡辺の事も気になるが、大河が人前でこんなにベタベタに甘い事の方が気になりだした。

啓介はともかく、由美の冷めた視線が痛い舞奈は、恥ずかしさを感じながらも、背中に冷や汗を感じる。

舞奈はなんとか大河の腕から逃れようとするが、大河は舞奈を強く抱き締めて離さない。

「…心配ないなら、私帰るわ…」

目の前でいちゃつかれ、呆れた由美は席を立つ。

「あ!じゃあ、私も!」

舞奈もそれに習い、立ち上がろうとするが、大河は一向に腕を緩めなかった。

それを見た啓介は、徐に口を開く。

「ね、大河さん。今日、舞奈を大河さんの所に泊めて上げてくれません?」

突然の提案に、流石に大河も驚き、二人は顔を上げる。

啓介は、ニコニコしたまま、舞奈達を見詰め話す。

「あんな事があったんです。舞奈のケアの為に、一緒にいてあげてください。伯父さん達には、俺から誤魔化しておくので」

「啓ちゃん…」

目を見張る舞奈に、啓介は優しく微笑む。

「前回のがあまりトラウマになって無いのは、大河さんが夜一緒にいてくれたからだと思うので、今回も、ぜひそうして欲しいんです。…駄目でしょうか?」

問いかける啓介に、大河は抱き締めてた腕を離し、啓介に向き直る。

「そんな事はありません。お心遣い、ありがとうございます」

大河がお礼を言うと、啓介はニッコリと笑った。

「可愛い従姉妹の為です」

その言葉に、大河は小さく笑う。

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