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その瞳に…
第25章 初めての訪問
 それでも、滅多に眼鏡を外した大河を見る事が出来ない為、舞奈はその素顔をじっと見つめてしまう。

 眼鏡越しだとあまり解らなかったが、良く見ると大河の瞳は二重かと思ったが少しわかり辛い三重で、まつげも黒く長い。

 今、自分を見つめている優しい色が篭った瞳。

 けれど、その瞳の奥はいつでも自分の全てを見透かす様な、小さな灯りがともっている。

 (先生の瞳。綺麗・・・)

 自分がまず大河が気になった理由のその瞳に、今自分の顔が映し出されている。

 舞奈は無意識の内に、大河のその瞳をずっと見つめていた。

 すると、スルリと大河の手が舞奈の頬に触れた。

 「舞奈、そんな誘うように見つめられると、また襲いたくなるよ?」

 その言葉に我に返った舞奈は、また顔を真っ赤にし、うつむく。

 クスクスと頭の上から聞こえる大河の笑いに、舞奈はまたからかわれた・・・と悔しくなりながらも、何も言えずにいた。

 「さ、もう寝なさい。おやすみ、舞奈」

 「はい。おやすみなさい」

 ぎゅっと頭と腰を抱かれ、お休みのキスをおでこにされ、舞奈は大人しく瞳を閉じた。

 まだドキドキと心臓は高鳴っているが、パジャマを身に着けていない大河の胸にそっと手を置き、トクン・トクンとゆっくりと鼓動する大河の心音を感じる。

 大河の温もり、香りを感じ、ゆっくりと鼓動する心音に連動するかのように、自身の鼓動も段々ゆっくりとなり、舞奈はそのまま安らかな眠りに落ちた。
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