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その瞳に…
第28章 大人の対応
 その言葉に、舞奈はえ?と声を出す。

 「護衛って。あんな優しそうな人に悪いです!もし、危ないことにでもなったら!?」

 舞奈の早百合へのイメージは儚げな美人で、危ないことには一切無縁そうな、女性だった。

 今日も絵麻はバイトの為、一人じゃないのは心強いが、流石に他の人を巻き込むのは舞奈も気が引ける。

 そんな舞奈の心中を、大河は察したのか、いつも通りの優しい微笑みを浮かべた。

 「大丈夫。危ない事なんてないし。ああ見えて彼女はそれなりに護身術も身に付けていて、男性一人なら何とでもなるしね。それに・・・」

 大河は、ぽんと舞奈の頭を撫でる。

 「君を一人にしておくのが心配だからね。それは、成滝達もそうだからね。早百合さんもすんなり引き受けてくれたよ」

 優しく頭を撫でられ、舞奈はきゅっと胸が締め付けられる。

 大河の、そしてみんなの優しさが嬉しくなる。

 迷惑をかけているはずの自分に、なぜ周りはこんなにも優しいのだろうと思う。

 (なんだか、先生と出会ってから涙もろくなってる気がする・・・)

 少し目頭が熱くなり、舞奈はそれを手で拭う。

 「先生、ありがとうございます。なんか、私いっぱい先生に助けてもらってばかりですね」

 舞奈はほんの少し目を赤くし、笑みを浮かべ大河にお礼を言う。

 「成滝さん達にもですけれど。何かお礼しないとですね」

 「成滝達には、また店に行って元気な君を見せるだけで十分だよ。僕には・・・」

 大河は頭を撫でていた手を頬に移動し、スルリを撫で上げる。

 「ベッドの上で絶対の服従を見せてくれれば、それで十分」

 撫でられた頬の感触と、妖艶な大河の笑みに、舞奈の体はゾクリと震える。

 舞奈は、添えられた手を取り、指にキスをする。

 「私はどこでも、どんな時でも、ご主人様に絶対服従ですよ」

 
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