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その瞳に…
第28章 大人の対応
 初めて会った時は、緊張のあまり何を話したかも覚えていないし、とても綺麗な人としか印象がなかったが、改めて見ると、やはりとても綺麗な人だと思う。

 少し明るめの肩の下まであるふんわりとした髪。

 薄ピンクのニットに膝丈の少し灰色に近い黒のスカート。

 清楚という言葉が似合う早百合にとても似合う服装。

 とても綺麗だけれど、近くにいると暖かく優しい雰囲気がかもし出され、とても落ち着く気分になる。

 (成滝さんと並んだら、ほんとお似合いなんだろうな・・・)

 舞奈はそんな風に考えながら、目の前にいる早百合を見つめていると、その顔が優雅に微笑んだ。

 「舞奈さん、どうしたの?私の顔に何か付いてる?」

 その言葉に、舞奈ははっと意識が戻り、慌てて早百合に謝罪する。

 「すみません!?あんまりにも綺麗だから、見とれてました!!」

 その言葉に、早百合は一瞬驚いた様に瞳をパチクリと開けるが、すぐに笑みに変わる。

 「ふふ、ありがとう。舞奈さんみたいな可愛い方から褒められて嬉しいわ」

 早百合から『可愛い』と言われ、舞奈は嬉しさで少し頬を染めて少し俯くが、早百合が今ここにいる理由を思い出し、慌ててそのまま頭を下げる。

 「あの、今日はありがとうございます。面倒な事に巻き込んでしまって、すみません」

 いきなり頭を下げ、お礼と謝罪をする舞奈を、早百合は少し困った様な表情で見つめる。

 「舞奈さんが気にするようなことじゃないわよ。頭を上げて」

 「でも・・・」

 そう言われても、早百合がどこに住んでいるか解らないが、成滝の店からここの駅までは電車でも一時間は時間がかかる。

 車でならもっと掛かる為、早百合に迷惑をかけているのには変わりない。
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