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その瞳に…
第30章 SとM
 そもそも、舞奈が欲情していると解っている大河は、それを拒絶する事が無かった。

 初めての拒絶に、舞奈は瞳に涙が溢れそうになってしまう。

 すると、大河にグイっと腕を強く引っ張られ、立ち上がらせられる。

 「舞奈、こっちに来なさい」

 そう言いながら、大河は舞奈を寝室に連れ込み、腕を離すと椅子に座った。

 悲しさで力が入らなかった舞奈は、椅子に座る大河の前にへたり込んでいた。

 「・・・何も泣くことはない。誰も抱かないなんて言っていないんだろう」

 「え・・・」

 その言葉に、舞奈が顔を上げると、クスクスと嗤う大河が舞奈を見つめていた。

 「・・・抱いて欲しいなら、まずご奉仕してごらん」

 ギシっと大河は椅子を鳴らしながら、体を舞奈に向ける。

 「奴隷らしく、跪いて、僕を気持ち良くしてごらん。・・・ああ、でもその前に」

 そう言うと、大河は立ち上がりクローゼットへ向かう。

 そこから、箱を取り出し舞奈の横に置くと、また椅子に座りなおした。

 「そこに、成滝の店で買った物が入っている。」

 そう言われ、箱を開けると、成滝の店で購入したチョーカーや下着、そして見たことの無い銀色に妖しく光る鎖の付いた首輪が綺麗に並べられて入っていた。

 「さあ、見ててあげるから、下着姿になって自分で着けなさい。それと、今日はチョーカーではなく、首輪を着ける様に」

 そう命令され、舞奈ははい、と返事をし立ち上がる。
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