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その瞳に…
第30章 SとM
 「ひぁ・・・はぁっあ・・・」

 先ほどとは違い、微弱な振動はうずくクリトリスにもどかしさを与える。

 大河は、その振動のままスイッチを縄に引っ掛け固定した。

 椅子に座り直した大河は、また鎖を引き、倒れてる舞奈を起き上がらせる。

 「さあ舞奈、そのままで僕にご奉仕しなさい」

 そう言うと、自身でズボンのチャックを開け、高ぶっていたペニスを取り出す。

 「っあ・・・」

 目の前に現れた雄の匂いを放ったペニスに、舞奈は恍惚とした笑みを浮かべ、ゴクンと唾を飲み込む。

 放たれる雄の匂いは、それだけで舞奈の体をさらに高ぶらせる。

 舞奈は高ぶる大河のペニスを加えようと、口を開け顔を近づけようとすると、また鎖を引かれ行動を遮られる。

 お預けをくらった舞奈は、何故と大河を見上げると、大河はニヤリと微笑んだ。

 「駄目だよ。まずはさせて欲しい事をお強請りしなさい。・・・後、僕が出すまで勝手にイかないように・・・」

 はい、と舞奈は返事をした後、一度瞳を閉じ気持ちを高ぶらせる。

 (私は、ご主人様の奴隷・・・全てを捧げた・・・)

 自分に暗示を掛けるかのように思い、ゆっくりと瞳を開け、大河を見つめる。

 その表情に、大河はゾクリと全身の産毛を逆立てる。

 その表情は少女から蜜を含ませた女性の顔に変わっており、一瞬にして甘い香りを全身から放つ。

 理性を奪い去る甘い香りと、嗜虐心を煽られる潤んだ瞳。

 噛み付き、奪いたくなる唇。

 それは、男を一瞬にして虜にする姿・・・

 その姿に、大河は恐怖ともとれる高揚感に襲われる。

 (本当に、この子は・・・)

 無意識なのか意識的なのか解らないが、抱けば抱く程艶やかに変貌する舞奈の姿に、大河は感嘆の息を漏らす。
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