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その瞳に…
第33章 冬の空
 土曜日、舞奈が起きた時には既に昼の12時を回っていた。

 慌てて起き上がると、隣にはすでに大河の姿はなく、シーツも冷えていた。

 (先生、何時寝てるんだろう・・・)

 昨夜も、先に寝てしまい、大河が何時寝たのか知らない舞奈は、大河がちゃんと休めているのか少し心配になる。

 そんな事を考えていると11月の空気の寒さにブルっと体が震え、取りあえず服を着ようと昨夜脱ぎ捨てた服を探すと、ベッドサイドにおいてあるテーブルの上にそれを見つける。

 またしても、下着までキチンと畳まれた状態で。

 (うぅ・・・)

 脱ぎ散らかした状態で、寝てしまった自分が悪いのは解ってはいるが、やっぱり複雑な気持ちになる。

 しかも、舞奈がやるよりとても綺麗に畳まれている服。

 (料理と良い、洗濯と良い、女子として情けない・・・)

 心の中で嘆きながら舞奈は着替えをし、寝室のドアを開ける。

 リビングには、ラフな格好に着替え、PCに向かっている大河がいた。

 「・・・おはようございます」

 寝室のドアを閉め、舞奈が挨拶をすると、大河はPCから顔を上げ、優しく微笑む。

 「おはよう。良く眠れたかい?」

 「はい、凄く」

 その返答に、大河はなら良かった、と呟きながらPCを閉じる。

 「取りあえず、シャワーでも浴びてきなさい。・・・髪が凄い事になってるから」

 その言葉に、舞奈はハっとし頭を触ると、確かにあちこち跳ねているのが解る。

 「あ・・・」

 髪の毛のことまでまったく気にしていなかった舞奈は、一瞬にして真っ赤になると、大河はクスクスと笑いを溢した。

 「君がシャワーを浴びてる間に、ご飯の準備しておくから、早く入ってきなさい」

 「はい・・・」

 舞奈は顔を真っ赤にしたまま、お泊り用のカバンを持って急いでバスルームへ向かった。


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