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その瞳に…
第33章 冬の空
 シャワーを浴び、ついでに服も着替えた舞奈がリビングに戻ると、ふわりと良い香りが漂っていた。

 「ああ、良いタイミングだね。調度できた所だよ」

 そう言いながら、大河は机の上に食事を並べていた。

 トーストにスクランブルエッグ、カリカリに焼けたベーコンとサラダ、そして野菜スープ。

 既に昼を回っているせいなのか、それを見た舞奈のお腹は、小さく鳴ってしまい、慌ててお腹を手で覆う。

 (今の、聞こえてない、よね?)

 チラっと大河を見るが、何も言わず料理を机に並べているだけなので、聞こえていなかった事にしようと、舞奈は思った。

 「ありがとうございます。凄くおいしそうです」

 舞奈は頂きます!と両手を合わせると、大河はどうぞ、と言いながら、大河も頂きます、と食事を始めた。

 「先生、片付けは私がしますね。後、洗濯とかありましたら、私しますから」

 食事をしながら、舞奈はこの後の事を話す。

 「別に気にしなくていいのに」

 「ダメです!全部先生にやってもらう訳には行きません。一応、私にだって、女のプライドがあるんです」

 「じゃあ、お願いしようかな」

 女のプライド、と言う言葉に、大河はククク・・・と喉を鳴らしながら笑いを溢しつつも、了承する。

 「洗濯の方は、シーツが昨日濡れてしまったからね、調度取り替えないとと思っていたんだ」

 ニヤリと微笑む大河の言葉を聞き、舞奈はえ?と言う顔をするが、意味が解ると全身を一瞬にして真っ赤にさせる。

 「すすすす、すみません!!!」

 舞奈は、自分が粗相したせいでシーツを濡らしてしまった事を、言われるまでまったく思い出さなかった自分が恥ずかしくなる。

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