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その瞳に…
第34章 楽しい夜
 ケラケラと二人が楽しそうに笑い、舞奈はぽかんとした表情を浮かべるが、二人にからかわれた事を理解すると、顔を真っ赤にして頬を膨らませる。

 「お二人とも酷いです!って、先生まで笑わなくても!」

 二人が声を上げて笑っている中、大河は声を殺し肩を震わせながら笑っている姿を見つけた舞奈は、酷い!と更に膨れる。

 「いや~ほんっと舞奈ちゃん可愛いな~。な、大河・・・ってゲッ・・・」

 目に涙を浮かべながらバシバシと大河の肩を叩いていた成滝は、大河の横に転がっているものを見つけ、一瞬にして不味そうな表情を浮かべる。

 「?なる・・・」

 「舞奈」

 舞奈が成滝の反応を不審がって、声を掛けようとすると、笑いが収まった大河がとても優しい笑顔を浮かべ、舞奈を手招きする。

 (え?え?何あの笑顔!?)

 お酒のせいで頬をほんのりと赤く染め、愛しいものを見つめる優しい笑顔に、舞奈は怒っていた事を忘れ、胸を高鳴らせる。

 「舞奈。おいで」

 両手を広げられ、舞奈は導かれるように席を立ち、大河の元へ歩く。

 成滝がソーっと大河の横から離れ、早百合と栄子の間に移動した事も気がつかないくらい、舞奈は大河の笑顔に魅了され移動する。

 「舞奈の席はここだろ」

 「きゃっ!?」

 近づいてきた舞奈を、大河は腕を引き自身の膝の上に座らせ抱きしめる。

 人前でこんな行動を大河がすると思っていなかった舞奈は、大河の口調の変化に気づきもせず、止まるのではないかと言う位鼓動を高ぶらせた。



 
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