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その瞳に…
第35章 淫らな夜
 「お前は俺の恋人で、何?」

 ゾクリと色気を漂わせる冷たい表情といつも以上に有無を言わせない声に、舞奈は体の奥から熱が生まれるのを感じる。

 (もう・・・ダメ・・・)

 逆らえない。

 そう悟った舞奈は、成滝達が見ているのも構わず大河の首に腕を絡め、自身を射抜く瞳を見つめはっきりと言葉にする。

 「私は、先生の恋人で・・・ご主人様の奴隷、です」

 その言葉に、大河は満足そうに微笑み、舞奈の唇に貪りついた。

 「っん!ふぁ・・・ん・・・」

 大河に激しい口付けをされ、小さく喘ぐ舞奈を成滝達は呆然と見つめた。

 舞奈が大河に答えた瞬間、成滝達の鼻腔に華のような甘い香りを掠め、三人はその匂いにゾクリと体を震わせる。

 それは、確実に舞奈から発せられた雌の香りだと、三人は一瞬にして理解した。

 「これは・・・ヤバイね・・・」

 「大河も、凄い子見つけたわ・・・」

 一瞬にして、周りにいる人間を欲情させる香りを放つ舞奈に、成滝と栄子は感嘆の声を上げる。

 先ほどまでは、年相応の可愛い少女として見ていた子が、たった一言呟いただけで、女に変わる瞬間。

 それは、どんな少女も一度は目覚める事だろうが、ここまではっきりと妖艶に変わる子を三人は見たことが無かった。

 「やっばい。大河のじゃなかったら、私が育てたいわ・・・」

 女王としての感情が襲ったのか、栄子はゾクゾクと体を震わせながら、快感に満ちた瞳で舞奈を見つめる。

 「同感。俺もこんな子育てたい・・・」

 ゴクリと生唾を飲みながら、成滝も栄子の言葉に同調する。

 (この二人にそこまで言わせるなんてね)

 成滝と栄子の言葉に、早百合は少し驚いた表情で大河の口付けに喘ぐ舞奈を見つめる。

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