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その瞳に…
第35章 淫らな夜
 「・・・っ」

 その締め付けが余りにも気持ちよかったのか、大河はピクリと眉を反応させ、口の端を持ち上げ嗤う。

 「なら、言ってみろよ。大河って。でないとずっとこのままだよ」

 抜かれはしなかったものの、時折中でピクピクと動かされ、止められた疼きをじわじわと刺激され、舞奈は我慢が出来なくなり、思い切って口を開く。

 「っ・・・た、たい・・・」

 『大河』そう呼びたいのに、言葉が続かない。

 出会った頃からずっと『先生』か『ご主人様』としか呼んでいなかった舞奈は、名前で呼ぶ事にとても勇気が必要だった。

 それは、告白にもまさる勢いで・・・

 中々名前を呼ばない舞奈に、大河は段々痺れを切らし、意地悪くゆっくりと腰を動かす。

 「っああん!?っはぁ・・・や・・・」

 突如襲ってくる淡い刺激に、舞奈はふるふると体を震わせ、切ない吐息を吐く。

 名前を呼ばなければ、イかせてもらえない事は解っている。

 そして、名前を呼ばれない事に段々と大河がいらついてきているのも解っている。

 舞奈はチラリと目の前の二人を見る。

 妖艶に、そしてとても嬉しそうに、成滝の名を呼びながら喘ぐ栄子と、栄子の名を呼びながら攻め立てる成滝・・・

 舞奈の目には、それはとても深い愛情で繋がった二人に見える。

 (私ももっと、先生・・・大河と深く繋がりたい・・・)

 体だけではなく、心ももっと深く。

 そう思った舞奈は、意を決して口を開く。

 「っ―――――――たい、が・・・大河!大河ぁっああん!?」

 舞奈が自分の名を呼んだ瞬間、大河はとても嬉しそうに瞳を光らせ、腰の動きを再開する。

 「そう、それで言い・・・もっと、俺の名前を叫べ」
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