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その瞳に…
第37章 日常の中の非日常
 「舞奈、これで成滝の事はあまり気にならないだろう?もし、存在が気になるようなら家から追い出すけど」

 「いえ。これで大丈夫です」

 とても優しい微笑みで、サラリと酷い事を放つ大河に、舞奈は少しだけ成滝に同情しながらも、大河と早百合にお礼を言い、食事に手を付け始める。

 「何で!?舞奈ちゃん俺の顔もしかして嫌い??」

 目隠しを外すのを諦めた成滝は、アイマスクをしたまま舞奈に話しかける。

 なんとなく異様な光景に、舞奈は少しだけ笑いを溢しながらも、小さく否定する。

 「そうじゃなくて・・・」

 昨夜の事があり恥ずかしいから、とはっきり伝えづらく舞奈が口ごもると、早百合が成滝の横から助け舟を出してくれた。

 「英樹。あんな事があった後なのよ?普通なら顔を合わせずらいでしょ。そこら辺を解ってあげなさい」

 すると、成滝は納得したのか、ああ~と声をあげる。

 「何で?すっごいいやらしくて可愛かったのに。俺別に気にしてないよ?」

 その言葉に、舞奈は食事を喉につまらせ、ゴホゴホとむせてしまう。

 「成滝。今その話題をこれ以上するようなら、本当にここから出てってもらうよ」

 むせる舞奈の背中を摩りながら、大河は見えていない成滝に冷たい視線と言葉を放つ。

 「ここ俺の家だよ!!それに、あれ俺のせいじゃないよ!!!」

 「煩い、黙れ。口も塞がれたいのか」

 酷い!と成滝はまたも大河に抗議するが、早百合に頭を軽く叩かれ、大人しくなる。

 「じゃあその話題はもうしません~。舞奈ちゃんに口聞いてもらえないのも嫌だし~」

 「すみません・・・あのもうちょっとしたら落ち着くと思いますので、そうしたら目隠しもしなくて大丈夫です」

 あまりにも大河と早百合の対応が厳しく、成滝が不憫に思えてきた舞奈は、恥ずかしくなるのも悪く思い素直に謝罪する。

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