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その瞳に…
第37章 日常の中の非日常
 大河から妹がいるとは聞いてはいたが、2歳下としか話されておらず、妹がブラコンなのを舞奈は知らなかった。

 「喧嘩って・・・大丈夫だったんですか?」

 「なんだっけ?確か『あなたみたいな年増、お兄ちゃんには似合いません!!』だっけ?」

 「そうね。成滝の彼女です、って言ったら、『じゃあ、お兄ちゃんと仲良く話さないでよ!』とも言われたわね」

 「あいつ、そんな事を・・・」

 三人が思い出話に花を咲かせている間、舞奈は頭の中がどんどんパニックになっていく。

 (え!年増!?早百合さんに年増って!??)

 既に成滝から飛び出した『結婚』と言う二文字は、明日香の早百合への『年増』発言にかき消されていた。

 「あの・・・早百合さんて、おいくつなんですか?」

 あまり女性に年齢を聞くのは良くない事だと舞奈は思っていたが、流石に早百合の年齢が気になって仕方が無く、問いかけてしまう。

 すると、早百合はなんて事は無く、あっさりと答えてくれた。

 「私?今年で31歳よ。英樹達より6つ上ね」

 「ええええええええええっ!?」

 (さんじゅういち~~~~~!?)

 ずっと大河達と同じ位だと思っていた舞奈は、早百合の実年齢を知り思わず絶叫してしまう。

 「せ・・・先生達と同じくらいだと思ってました・・・」

 「あら、ありがとう」

 呆気にとられて呟く舞奈に、早百合はとても美しい笑顔を向ける。

 (うわぁ・・・)

 その笑顔は本当に花が咲いたように美しく、舞奈は早百合が30歳を超えている事が信じられないと思ってしまう。

 「大河が進学する時も大変だったけど、こっち戻って来てから一人暮らしするって時も大変だったよな。結局住所まだ教えてないんだろ?」

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