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その瞳に…
第38章 冬休み
 「やぁぁぁっとテスト終わったぁ~」

 テスト週間とテスト期間があっと言う間に終わり、後は冬休みとその前の成績表を待つのみとなった。

 テスト最終日、舞奈は絵麻や他の友人達と一緒にファストフード店で、遅い昼食を取っていた。

 「今回まじ範囲広すぎ~」

 「覚えた公式、全部吹っ飛んだわ~」

 皆口々にテストからの解放を口にする。

 「あ、そだ。クリスマスパーティどうする?22日の終業式後とかにでもしない?」

 「クリスマスパーティなのに、22日って」

 「だって、クリスマスは彼氏といたいじゃん!」

 一人が、突如口を開き、舞奈達はテストの事などすっかり忘れ、クリスマスの話題で盛り上がる。

 「彼氏いる人はいーよねー。あたし24日はバイトだよ!!」

 「あたしも~。リア充まぢはぜろ!って感じ」

 きゃあきゃあと口々に盛り上がっていると、あ、と美和が思い出したように声を上げ、舞奈に向く。

 「ね、舞奈。渡辺覚えてる?」

 「えっ!?」

 突然出されたその名前に、舞奈はドキリを鼓動を跳ね上がらせる。

 あれから、少しだけ気になり渡辺の事を一度だけ舞奈は大河に聞いてみた。

 しかし、大河はその時はにっこりと微笑み、『もう忘れてしまいなさい』と言っただけで、それから舞奈はなんとなく大河の笑顔に恐怖を感じ聞いていなかった。

 「なんかさー。あいつ、一時期大学休んだと思ったら、人が変わったように女に興味持たなくなったんだって~」

 どうしたんだろね。と美和は付け加えながらケラケラ楽しそうに笑う中、舞奈は絵麻とこっそり視線を交わす。

 お互いの視線で、『何も知らないフリしよう』と確認し無言で小さく頷くと、舞奈達は表情をいつも通りに戻す。


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