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その瞳に…
第38章 冬休み
 「まあ、何があったか知らないけど、あいつキモかったからいいんじゃね?」

 絵麻がいつも通りの辛らつな言葉を口にすると、美和もだよね~と合意する。

 「私もあいつとあんま会った事ないけど、なーんか視線きもかったもん。彼氏もなんか渡辺ともう交流切ったらしいから安心だよ~」

 (美和にも、嫌な視線送ってたんだ・・・)

 舞奈はジュースをすすりながら、そんな事を考えていると、渡辺の視線を一瞬思い出してしまい、ゾワっと鳥肌を立ててしまう。

 (いやいやいやいや・・・あんな人の事もう思い出すのやめよう。取りあえず気を取り直して・・・)

 と、渡辺への嫌悪感を取り消す為に、大河の顔を思い出し、少しだけ体温を上げ平常心に戻る。

 「ま、これで舞奈もあいつに付きまとわれなくってすむでしょ。あんときはほんっとゴメンね~」

 「それはもう何回も謝ってもらってるからいいってば」

 美和は、渡辺がファストフード店で舞奈に言い寄ってから、何度も謝罪をしてきた。

 それだけ、舞奈に渡辺を紹介したのが気に病んだのだろうが、あれは偶然だったのだから、美和が悪い訳ではなく、舞奈は何度もそれを美和に伝えていた。

 「って言うか湿っぽい話やめよーよ。せっかくテスト終わったんだから。取りあえず22日の事考えよ!」

 舞奈と美和のやり取りを見ていた絵麻が、空気を変えるかの様にパンと手を叩き、話題を変える。

 「だね!取りあえずテスト結果も気にしないで楽しい事考えよう!!」

 舞奈もそれに同意し、隣で別の会話をしていた友人達にも声をかけ、時間が許す限り楽しい時間を過ごした。




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