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その瞳に…
第38章 冬休み
 「僕としては嬉しいけれどね。君は僕のものであると同時に、僕も君のものなんだから」

 その言葉に、舞奈は顔を真っ赤にし、ぎゅーっと強く大河に抱きついた。

 「先生、大好き」

 「僕も、舞奈が好きだよ・・・」

 そっと唇を重ねるだけのキスをし、二人は小さく笑いあう。

 「あの~・・・」

 すると、呆れた絵麻の声が聞こえ、二人ははっと体を離し、絵麻の方を見る。

 そこには、絵麻が一人で呆れた表情でいた。

 「あれ?美和は?」

 美和がいない事に疑問に思った舞奈が問いかけると、はぁと絵麻は深いため息をついた。

「あんたらのいちゃつき見て、彼氏に会いに行く!って息巻いて飛び出していきました。彼氏のいない私は、置いていかれまーしーたー」

 「ごめん・・・」

 「ごめん、佐々木さん」

 嫌みったらしくぼやく絵麻に、舞奈と大河は素直に謝罪するしかなかった。

 「取りあえず、もう遅いから二人だけなら車で送って行くよ」

 「え?でも先生今日飲み会だったんじゃ」

 「さっきまで見回りがあったし、僕は車通勤だからもともと飲めないんだよ」

 「あ、そっか」

 大河の言葉に、舞奈は車通勤だった事を思い出し納得する。

 「送ってくれるの嬉しいですけど、車の中でいちゃつかんでくださいよ」

 未だ呆れた顔をしていえる絵麻に、大河はフっと笑いを溢す。

 「了解。二人とも後ろに座ってもらうから大丈夫だよ」

 そう言う大河に納得したのか、絵麻も表情を戻す。

 それを確認した大河は、二人を駐車場まで導いた。



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