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その瞳に…
第38章 冬休み
 そして、チラリと少し離れた場所にいる絵麻達に視線を送る。

 絵麻と美和は好奇心旺盛な顔で大河達を見つめていたが、大河と視線があった瞬間、サっと体を後ろに向ける。

 きっと、これは美和にも自分達の関係を知られているんだろう、と大河は思った。

 そうでなければ、先ほどの話を聞いていただろう舞奈が、こんな事をするはずが無い。

 大河はもう一度絵麻達に視線を送り、彼女達が背を向けたままなのを確認し、空いている方の腕で舞奈の体を抱き寄せる。

 「舞奈・・・」

 大河はそっと、舞奈の耳元に唇を寄せ、舞奈にしか聞こえないトーンで話始めた。

 「ごめん、嫌な所見せたね。怒っているかい?」

 その言葉に、舞奈は無言で体にぎゅっと強く抱きつく。

 その仕草が可愛かったのか、大河はフッと口元を綻ばせる。

 「機嫌直して、舞奈。もう、誰にも僕を触らせないから」

 その言葉に、舞奈はピクンと反応し、少しだけむくれた顔をあげる。

 「それ、無理じゃないですか?うちの学校の子とか」

 その言葉に、大河は苦笑いする。

 「まぁ、それは極力気をつけるよ」

 とても気まずそうに答える大河に、舞奈はクスっと笑いを溢す。

 「学校の子とか、栄子さん達とかは、気にしなくていいんです。ただ・・・元カノって言うのが嫌だっただけで・・・」

 大河に昔付き合っていた人がいるのは知っていたし、今は自分を見てくれているのが解っていたので、元カノなどあまり気にしていなかった。

 しかし、実際にその場を見てしまうと、自分でも思った以上に嫉妬心が渦巻いた。

 「私、こんなに独占欲が強いとは思いませんでした・・・」

 ポツリと舞奈は大河の胸に顔を埋めながら呟く。

 大河はそんな舞奈をぎゅっと強く抱きしめた。

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