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その瞳に…
第39章 Christmas
 「まったく・・・荷物貸しなさい、後ろに入れるから」

 「え?良いですよ!自分で入れます!」

 それくらいは自分でやると舞奈は遠慮するが、大河はそれを無視し、舞奈の手から荷物を取り上げる。

 「君は早く車に乗りなさい。外よりは暖かいから」

 早く温まりなさいと、言われ、荷物を取り上げられた舞奈は、素直に助手席へ乗り込む。

 車内は暖房が効いており暖かく、ブルっと暖かさに震えた舞奈は、自分が思っている以上に体が冷えていた事に気がつく。

 大河は車のトランクに荷物を入れ、運転席に戻ると、手に持っていたブランケットを舞奈に渡す。

 「後ろに入れっぱなしだから、少し埃くさいかもしれないけど、無いよりはいいだろうから」

 舞奈は大河からブランケットを受け取り、膝の上に掛ける。

 「先生、ありがとうございます」

 自分の不注意で体を冷やしただけなのに、大河の優しさが嬉しく、舞奈はふわりと微笑みながらお礼を言う。

 そんな舞奈に、大河は頭を軽く撫でながら微笑み、車を発進させた。

 通いなれた道は、何時も以上のわくわく感に舞奈は大河の家に着くのが、何時もより遅く思えた。

 信号が赤になれば、少し残念な気持ちになったり、遅い車がいるとちょっとだけ不機嫌になる。

 (私、どれだけ浮かれてるんだろう)

 いつもまったく気にしない事が、つい気になってしまい、初めて恋人と過ごすクリスマスにいつも以上に浮かれてしまっている自分に呆れる。

 そんな移動も、普段と変わらぬ時間で大河の家に着いた。

 「舞奈、色々荷物があるんだ。手伝ってくれるかい」

 「あ、はい」

 車を停めると、大河はすぐに後ろに回りこみ、トランクを開ける。



 
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