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その瞳に…
第9章 いつもの学校
『じゃあ…10時頃待ち合わせようか。車で迎えにいくけど、どの辺りが良い?』

「えっと…」

舞奈は考える。

駅など人が多い所や、家なんてもっての他だ。あまり人が居なく、なおかつ車も停めれる場所…

舞奈は、あっ、とひとつの場所を思い出す。

「あの、この間の啓ちゃんのとこから、すぐ近くに神社があるんです。表と裏に駐車場があって、裏は基本誰もいないから、見られる心配も無いと思うんですけど…」

少し沈黙が流れる。
電話越しに、カタカタと音がなるのが聞こえる。

『ああ…此処かな。〇〇って名前の神社?』

どうやら大河は地図で場所を確認してたようだ。

「はい、そうです。基本年末年始とお祭りの時しか裏は使われないので」

『そう。…ここから、舞奈の家は近いの?』

「はい、歩いて10分位です。だから帰りもそこで大丈夫ですよ」

『それは駄目だ。帰りは暗いだろうから、明るい所で降ろすよ』

そんな大河の、ちょっとした気遣いに舞奈は嬉しくなる。

『じゃあ、日曜10時にここで』

大河が電話の〆にはいる。舞奈はもう少し話してたい欲がでるが、我慢した。

「はい、楽しみにしてます。おやすみなさい」

「僕も楽しみだよ。おやすみ」

プツ…ツーツーツー…

通話が切れる、と同時に舞奈は枕を抱き締めながら布団の上で転げ回った。

(デート!先生とデート!!)

舞奈は早く日曜になれ!と願いながら、長い間布団の上で暴れた回った。

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