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その瞳に…
第10章 初デート
大河は語尾を強めて成滝を諌めながら、舞奈を自分の後ろに庇う。

(あれ…?)

舞奈はきゅっと大河の背を握りながら、『成滝』という名前が引っ掛かった。

(成滝…成…N…?)

『…Nさんの紹介でね』

あっ、と舞奈はマスターの言葉を思い出す。

「あの!もしかして、Nさんですか?」

大河の後ろから顔をだし、麻奈に成滝はその問いにそうだよ、と答える。

「エゴイストのマスターとは、昔修行してたレストランで知り合ってね。お互い趣味もあうから、今でも連絡を取り合ってるんだ。つまり俺は君達のキューピットだよ」

その説明に、凄く嫌そうな顔をする大河と、そっか!と納得する舞奈の顔を交互に見て、成滝はとても楽しそう笑う。

「そんな訳だから、僕とも仲良くしてね、舞奈ちゃん」

「あ、はい。こちらこそ宜しくお願いします」

舞奈はペコリとお辞儀をし、成滝の顔を見る。

とても親しみのある笑顔で見詰める成滝に、舞奈は少し見惚れた。

(この人、笑った顔が凄く素敵…絶対モテるんだろうなぁ…)

けれど、そんな思いも次の一言で下記消された。

「ほんと?じゃあ今度俺ともエッチしようね♪」

「……え?」

舞奈は呆気に取られた顔をするが、すぐにブンブンと顔を横にふる。

「成滝!?」

大河の怒りに、成滝はこわっ!と言いながら一歩下がる。

「冗談に決まってるじゃん。大河の恋人に手を出す趣味はないよ~。君は独占欲半端ないからね♪」

クスクスと楽しそうに笑う成滝を見て、

(さすが先生の友人…癖がありすぎる…)

と、心の中で呟いた。
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