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その瞳に…
第10章 初デート
知らない世界に迷い混んだみたい…と、舞奈は不思議な感覚になった。

「それと、山村様―」

木ノ下は微笑みながら、大河に確認する。

「本日はお会計を『奥の店』でするとお伺いしておりますが、お間違いないでしょうか」

(奥の店…?)

舞奈は不思議に思い大河を見ると、大河も木ノ下の様に微笑みながら頷いていた。

木ノ下はその動きに、頷き、

「では、後ゆるりとお食事を楽しんで下さい」

また、ゆっくりとお辞儀をし、退室した。

(今の笑顔…なんか怪し、い?)

舞奈は怪訝な顔で大河を見詰めるが、大河はなにも言わず、微笑んだだけだった。



大河を訝しんでた舞奈はだったが、料理が運ばれ、口に含んだ瞬間あまりの美味しさに、そんな事が気にならなくなった。

イカのカルパッチョに、茸のポタージュ、サーモンのクリームパスタ。

どれもとても美味しく、夢中になって舞奈は食べた。

デザートの甘栗のモンブランを食べ、食後のコーヒーが来たときには、すっかりと先程の会話を忘れていた。

「本当に美味しかったです!」

ニコニコしながら話す舞奈に、大河も満足そうに微笑んだ。

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