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イマージュ
第10章 マリーとアントワネット

 二人の妃は捕えられ、同じ牢に入れられました。

 牢番はセムシでした。
 そう呼ばれていたから間違われたのです。

「今夜は二人とも俺の妻だな」

「……はい、セムシ様」
「……はい、セムシ様」

 マリーとアントワネットは、それぞれ違う格好で、同じ言葉を口にしました。

「とうとう重婚してしまったな」

「ああっ……セムシ様!」
「ああっ……セムシ様!」

 背徳的なことを言われて、二人は悦びの声をこらえきれませんでした。

 背徳とは、前ではなく後ろの方ということです。

 そしてそれから一晩中、背徳的なことを言われながら背徳的なことをして、二人は身悶えすることになったのです。
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