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妄想シンドローム
第4章 愚者の後悔




(しっかりしろ、総一!)


 ブンブンと首を振って、石鹸を泡立てたタオルをルルの背に這わせる。


「ひゃん!」


 尻尾をピンと張らせてルルが甲高い声を上げる。


「ルル!? 痛かった?」


 ルルは首をフルフルと横に振る。痛くはないのだとしたら、擽ったかったのか。しかし聞いたところで単語の意味を解さないルルは、首を傾げるだけ。


「えーっと、我慢出来そう?」


「がまん……? うー……ルル、ソーイチするのじっとする」


「うん、そうだね。すぐ終わらせるから」


 言ってから、円を描くようにルルの背中を洗い続ける。


「んっ、ふぅ……ひゃ、んっ」


 ルルは動かないようにしているが、背をしならせ、甘い声を発する。面白いくらいに反応するものだから、総一の息も徐々に荒くなっていく。


「は……ん、ソ……チ、まだ……?」


「う、うん。もうちょっと……。次は前を洗わなきゃね」


 いけないと理性が訴えるのに、男の性が理性を押し退けようとする気配を頭の隅で感じる。


 白い背中をそっと寄せて、背後から手を回す。泡立つタオルで胸の膨らみを撫でると、一層甘やかな声をルルは上げた。







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