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want to be ...【短編集】
第2章 ペアルック






「わー、めっちゃ可愛い!」


棚にずらりと並ぶ色とりどりの小さな肩掛けバッグ。


「え?でも選んでって…何で?」


「何でじゃねぇ、選べ」


えぇっ、何で命令形!?


「いいよー、お揃いのあるから」


「…チッ」


買ってやるっつってんのに。


「…何で舌打ちするのよぅ」


「素直に選べバーカ」


「…買ってくれるの?」


「…うん」


「え〜」


「…え〜って何だ」


「だって最近、蒼汰に買って貰ってばかりだもん」


「俺が買ってやりたいと思って
買ってやってんだからいいの」


きゅん。


…嬉しい。


どんどん増えてくよ、蒼汰に買って貰ったもの。


しかも、蒼汰が選んであたしに買ってくれるものってものすごくセンスよくて、可愛いものばかり。


無駄がなくて、もう使わなくなった、なんて事には絶対ならない。


このバッグだって、ものすごく可愛い。


「…ありがとう」


肩に頭を載せようとしたけど届かないから、腕に頭を預けて繋いだ手にキュッと力を込める。


「…ふん、うっせ。早く選べ」


きゅん…照れてる。


「何色が似合うと思う?」


「…知るか。ピンクだろ」


…ふふ。


「何で笑ってんの」


なんだか、幸せ。


…すっごく幸せ。


「じゃあ黄色がいいな」


「…あっ?」


黄色だと?


「うそうそ、ピンクがいい」


「…どっちだよ」


「黄色」


「…、…はいはい」


こいつにはピンクが一番似合うと思ったんだが。


…黄色がよかったか、そうか。


そう思って黄色のバッグを手にすると。


「ううん、ピンクだよ」


「…どっちだよ!」


「ピンク。蒼汰が選んでくれた、ピンクがいい」


「…ふん、そうか」


嬉しそうに微笑む杏奈にそう言われ、ピンクのバッグを1つ手に持つ。


「…ほら、似合うじゃねぇか」


その言葉に誘われるように見上げた、鏡に映る自分と蒼汰。


…身長差が凄い。


まず思ったのがそれ。


次に…


「こら、何ぼーっとしてる。まだほしいもんねぇの?」


バッグをかごに入れ、鏡を見つめてぼんやりしてた杏奈の手を引いて歩き出すと、俺を見上げてくる杏奈。


視線を感じ取りながらも店内を突き進む。


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