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want to be ...【短編集】
第2章 ペアルック






名前を呼んで出て行って、腕を絡めた。


『もう、どこ行ってたんですか!探しましたよっ』


そう言って男の人達から、蒼汰を離した。


『…余計な事を』


『余計じゃないです、
ああいうのはほっとくのが一番ですっ』


『…美咲の事言われたのにか?
あんなバカにされて、平然でいられる方が凄ぇよ』


『でも暴力は振るっちゃダメです!』


『何もしてねぇだろうが!』


『しそうだったじゃないですか!』


『…ッチ、何なんだよムカつく…っ』


『あっ』


絡めた腕を乱暴に離されると、腕を強く掴まれて早足で歩き出した蒼汰。


『…じゃあこの収まらないイライラ、
お前に全部ぶちまけてやる』


『…っえ』


そして空き講義室に連れてかれて鍵を閉められ、2講義分ひたすら犯され続けた。


…懐かしいな。


あの後どうしたんだっけ?


蒼汰に先に出てかれて、さんざん泣いた後よろけながら講義室出て…


そのすぐ後に、授業以外の時の講義室、使用禁止と立ち入り禁止になったんだけど…間違いなくあたし達のせいだよね…?


っていうかあたしのせいだよね、床に飛び散った体液そのままにして出て来ちゃったから。


そ、その節は本当に申し訳なかったです…


あの講義室、今何の授業で使われてたっけ…


そんな事を考えながらいると、突然蒼汰が立ち止まって、勢いよく蒼汰の背中にダイブしてしまう。


「っぶ!?」


突然の衝撃に驚いて、鼻をさすって蒼汰を見上げる。


「いったぁ…」


その途端、振り返った蒼汰に思いきり抱き締められた。


「…っ!?」


頭がついていかない。


…え、あれ?


あたし…抱き締められてる?


こんな人通りが多い町の中で?


な、何で何で!?


鼻に手をつけたまま固まってると、深いため息を吐いてあたしを更に強く抱き締める蒼汰。


「危なかった…」


耳元で囁かれた言葉に首を傾げる。


危ない…?


何かこの先に危ないものでもあったのかな。


「…またやらかすところだった」


やらかす…?


「ごめん、杏奈。
また俺…お前酷い目に遭わせるところだったわ。
でももう絶対、あの時みたいにお前を傷付ける事は
しないから…、信じて…」


レイプの事を言ってるのかな…


蒼汰は、変わってくれたんだ。


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