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want to be ...【短編集】
第3章 甘い熱






「…。…さっさと食べろ。熱いぞ」


ボソッと呟きトレイをスタンドの上に置き、美咲さんの肩を抱き寄せる大樹さん。


スタンドを見ると、おいしそうなお粥が湯気を立てていて。


…大樹さん手作り料理食べれるの!?


うわぁ、生きててよかったぁ…


「えっ何、大樹が作ってくれたの?」


「…だったら何」


「まじか、ありがとう。
杏奈ー、口移しで食わしてやるから俺の膝おいで〜」


蒼汰、テンション高いなぁ。


熱に浮かされてるのかな?


…美咲さんが来てるから、なのかな。


そんな事を考えて、慌てて首を振りベッドを抜ける。


「ん、どうした。首なんか振ったら熱上がるぞ」


「何でもない…」


「…ん。あーん」


優しい笑顔でスプーンに載ったお粥をあたしの口元に近付けてくれる蒼汰。


「あー…」


「…蒼汰。それちゃんと冷ましたのか。凄ぇ熱いぞ」


「え?してない」


…危なー!


やけどしちゃうところだったじゃん!


「いやいや…大丈夫だいじょーぶ。
杏奈がやけどしても俺のキスで治してやるから」


…へ?


何その満面の笑顔で恐ろしい言葉。


…絶対熱に浮かされてるよね?


もしくは酔ってるよね?


…っほ、ほら!


大樹さん、何か汚いものを見るかのような目で蒼汰の事見てるじゃん!


ふー、ふーと何回か息を吹きかけてお粥を冷まし、また満面の笑顔であたしにスプーンを差し出してくれる蒼汰。


ちらりと蒼汰を見上げ、口に含む…と。


「…っふ、ふぁ、おいひいっ!」


え、何これ、ほんとにおいしい!


口に含んだ途端香るかつお節の香り、程よい塩加減。


やっばい、これなら何杯でもいける!


大樹さん、こんなにおいしいの作れるの!?


ちょ、店出したらどうですかー!?


「…あ?出さねぇよ。黙って食え」


…あらっ。


口に出てたらしい。


「えっ俺も食うー!」


嬉しそうにスプーンでお粥を掬い、まともに冷ましもせず口に含んだ蒼汰が、案の定涙目でハフハフしてる。


「あっち!…けどマジうまい。
え、マジで大樹、美咲と店出せば?
その内独立開業すんだろ?
そん中に「社長のランチ」って名前でカフェ作れよ、
毎日食いに行くから」


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