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want to be ...【短編集】
第4章 お風呂






…させないでね?俺の可愛いお嫁さん?


膨らんだお腹を撫でながら、口角を上げた。


…にしても。


最近、全然杏奈抱いてねぇな。


つわり酷いのもあるしお腹大きくなってきたし。


どっかの夫婦と違ってお腹大きい時にまで抱く気はないから抱ける時に抱いた方いいよな。


…あ、どっかの夫婦といえば。


隣の家のクソがつく程ラブラブな夫婦。


…の奥さんが無事、有り得んくらい可愛い双子を妊娠しましたよ、っと。


あんなほっそい身体から2人も子供が出てきた事も凄いけど面会して子供達を見た時、「あぁこいつら両親に負けないくらい美形になるな」って思った。


だってもう顔の作りが既に出来上がってた…まだ生まれたばかりなのに。


…美咲か大樹さ、どっちか実はハーフでした、とか言わねぇよな?


あんな綺麗な赤ちゃん初めて見たぞ俺?


そして、一番凄かったのは。


「はっぴばーすでーぃでぃーあ蒼汰ー!!」


双子が俺と誕生日が一緒だという事。


予定日が、俺以外は全員知ってたのに俺だけは知らなかった理由がようやく分かった。


「普通分かるだろ」


何言ってんだ。


俺マジで落ち込んだんだからな、大樹に見放されたんかなって。


それに、美咲と双子の傍でデレッデレに表情緩んでて看護婦の視線1人占めしてるアンタに言われても。


そして、病院だし美咲は妊娠したばっかだし子供もいるからクラッカーが出来ない代わりに、わざわざ作ってくれたらしいハート型の小さな紙切れの山を俺の頭の上からかけてくれた杏奈。


すっげー嬉しかった。


「自分で片付けてねっ」


…この言葉にはさすがに反論したけど。


もちろんその日家に帰ってからは、精力が尽きるまで杏奈を抱いた。


しかも誕生日プレゼントとしてくれたのは、俺がいつか買おうと狙ってた、とある男物有名ブランドの財布。


…死ぬまで使う。


追憶から意識が戻ると、自分の表情が緩みきってる事に気付いて平然を装って真顔に戻す。


杏奈、気付いてねぇよな?


…あーあ。


ねぇ…ちょっと勃ってきちゃいましたよ?


「…ね。杏奈」


「んー?」


「…したい」


「何を?」


「…」


…おい、


「何を」って何。


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