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溺れる恋は藁をも掴む
第1章 セフレ
「へぇー
アキでも振られちゃうんだ?」

「振られるさ」

「高校の時のアキは、
いつも振る側だったじゃん」

「あぁ、そうだったかもな。
でも、振られるって結構堪えるな。
一時期、何にもする気なくなった」


「まぁね。
別れは辛いよ
忘れるまで時間が掛かる」

「だね。
三浦はさ、
見返してやりたいくらいの男だったんだろ?」

「そうよ。
悔しかったからね。
自分に自信なくしたよ。
私はダメな女なんだって」

「そんな事ないだろ」

「そんな事思いたくないけど、
自分じゃ分からないのよ。
ねぇ、アキはどんな女性を好きになったの?」

「うーん。
理屈じゃなく、
気になりだして、
ずっと頭のどっかで、
その人の事ばっか考えたりして、
いつの間にか心持ってかれたっていうか、
人を好きになるって、
その人を好きで、
好みとか、
そういう類のものが多少違っても、
それでいいって思ったりするもんじゃね?」


「それにもルックスは含まれてんじゃん。
いい方がチャンスは沢山あるわ」

「確かにそうだろうけど、
好みもあんだろ?
美人だけがいいって奴ばっかじゃないし、
モデル体形ばかりが好まれるわけでもない」

「それでも、
圧倒的にルックスのいい子が、
特する世の中よ」

「まぁまぁ、三浦。
今ならさ、
三浦もそのルックスのいい女の部類でしょ。
なら気にする事ないじゃん。
それともまだコンプレックスあるの?」

「あるわよ‥‥まだ‥‥」

思い出したくもない、
私を苦しめる記憶が蘇る。
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