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溺れる恋は藁をも掴む
第2章 初めての夜
アキと普通のラブホテルに入った。
部屋のパネルを押し、
顔の見えないフロントさんから、
鍵を受け取り、
3Fまでエレベーターで上がる。

これから私はアキに抱かれる。
そんな現実を考えたら、
心臓が口から飛び出してしまうんではないか?
それくらいの緊張とドキドキが交互する。

無口になれた。
はしゃげない。
当たり前か?
わたしって軽い?

軽いよね。

それでも理性を飛ばして、
セックスしたい日もある。
そんなセックスを求めた時に、
抱かれたいと思う人が目の前に居たら、
私なら抱かれたい気持ちに素直になる。



アキはそんな私を言葉少なげで見守る。
手はギュッと繋いだまま。

エレベーターを降りて、
選んだ部屋に入った。


パネルで一緒に部屋を選んだ時、

「どこにする?」
アキが囁くように言った。

イタリアンをご馳走になってるから、
高い部屋なんて滅相も無いと、
現実的になる私も居たりして‥‥


「三浦、
この部屋はどう?
雰囲気良さそうじゃない?」

「うん」



二人で選んだ部屋は落ち着きのある、
まるで海の底をイメージしたような部屋。
暗いわけではなく、
神秘の世界が待ち受けているような?
そんな未知への予感を魅せてくれるような
気持ちにしてくれた。
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