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近づきたい
第11章 それぞれの日
「瑞穂、シャワー浴びておいで。」

「うん…」

よし先輩に返事をして、一人ベッドから起き上がる。夏でも朝は少し寒いかも…急いでシャワーを浴びて、洋服に着替える。

シャワーから出るとよし先輩がコーヒーを入れてくれていた。ドリップコーヒーのいい匂い…

「瑞穂、コーヒー飲んでて。オレもシャワー浴びてくるよ。」

「うん、ありがとう。」

よし先輩からコーヒーを受け取って、シャワーに向かうよし先輩を見送る。背中もカッコイイなぁ。

コーヒーに口をつけながら、よし先輩のことを想った。

私の本当の初恋の人。私が本当に好きで付き合った人。私が本当に自分から抱かれたいと思った人。
私が本当に愛した人。

シャワーから髪を拭きながら出てくるよし先輩はやっぱり素敵で、そのまま少し冷めたコーヒーに口をつける。

コーヒーを飲む姿に、いつものように喉仏に目が行く。無意識にその喉仏に手を伸ばして、指先でそっと触れた。

「瑞穂、くすぐったいよ。」

そう笑ったよし先輩の顔が堪らなく愛しくて、そのまま抱きついた。よし先輩はただ抱きしめて返してくれた。

「義朗さん、大好き…」

「うん、オレも。」

呟くように言った私の言葉にちゃんと返してくれる。
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