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第13章 彼女の旦那の存在

俺が仕事を終えるのと同時に鳴る携帯。表示は彼女だ。

「お疲れどうした？」
この時間に彼女が連絡をしてくるのは初めてかもしれない。

「陽ちゃん…もうダメだよ
私達別れるしかないよ…」

オイオイずいぶん真剣にお前の伝家の宝刀を抜いたな。

「だから何があっても別れないって！
お前も少し学習しろよ」

軽く笑い飛ばす俺に彼女は叫ぶように行った。

「陽ちゃんと別れないと訴えるって
旦那が…証拠も押さえてあるって」

は？

とにかく俺は、冷静にゆっくり話を聞きたいからと、
自宅に戻ったらかけ直すと電話を切った。

とにかく家路を急いだ。