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大きな瞳に映るのは
第22章 彼の思考回路



ひと段落した私たちは
身なりを整え、何事もなかったかのように
一緒に学校を出て、一緒に帰った。

しかし速くなった心臓が止むことはなかった。

きっと学校の美術室でその行為に至ってしまったからだと思う。


ふわふわとした頭の中を整理することもせず
その日はふわふわとしたまま帰宅し眠りについた。



翌日お昼休みに雪がクラスに遊びに来た。


『 音夢~~!昨日どーだったのー!! 』


大きな声で嬉しそうに駆け寄ってくる姿に
香奈と咲は驚きつつも
笑いながらその姿を見つめている。

 
『 昨日?なんかあったのー? 』

咲と香奈も興味津々で私を見る。
少し照れながら私は口を開いた。



「 あー実は。会長と付き合うことにな…


『『『 えええ?!! 』』』



3人の反応に思わずぷっと吹き出してしまう。


『 そんな進展してたなんて聞いてないんだけど~! 』


そこからというもの
お昼休みはその話題でもちきり。
別に話すことが嫌じゃなかったので
ガールズトークを弾ませていた。


ブーッ ブーッ …

すると私のスマホが鳴った。着信だ。


『 お?会長か~~? 』

ニヤニヤしながら嬉しそうに聞いてくる。
画面を開くとそこには

『 一之瀬 遙 』 の文字が映っていた。

それを見た瞬間心臓がドクリと音を立てる。
と同時にきゅうっと締め付けられる。


「 ごめんっ。ちょっと … 」


そう言って席を外すと
彼女たちはまだ私をちゃかしている。
急ぎ足で廊下に出ると、その着信を取った。



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