この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
大きな瞳に映るのは
第22章 彼の思考回路
ひと段落した私たちは
身なりを整え、何事もなかったかのように
一緒に学校を出て、一緒に帰った。
しかし速くなった心臓が止むことはなかった。
きっと学校の美術室でその行為に至ってしまったからだと思う。
ふわふわとした頭の中を整理することもせず
その日はふわふわとしたまま帰宅し眠りについた。
翌日お昼休みに雪がクラスに遊びに来た。
『 音夢~~!昨日どーだったのー!! 』
大きな声で嬉しそうに駆け寄ってくる姿に
香奈と咲は驚きつつも
笑いながらその姿を見つめている。
『 昨日?なんかあったのー? 』
咲と香奈も興味津々で私を見る。
少し照れながら私は口を開いた。
「 あー実は。会長と付き合うことにな…
『『『 えええ?!! 』』』
3人の反応に思わずぷっと吹き出してしまう。
『 そんな進展してたなんて聞いてないんだけど~! 』
そこからというもの
お昼休みはその話題でもちきり。
別に話すことが嫌じゃなかったので
ガールズトークを弾ませていた。
ブーッ ブーッ …
すると私のスマホが鳴った。着信だ。
『 お?会長か~~? 』
ニヤニヤしながら嬉しそうに聞いてくる。
画面を開くとそこには
『 一之瀬 遙 』 の文字が映っていた。
それを見た瞬間心臓がドクリと音を立てる。
と同時にきゅうっと締め付けられる。
「 ごめんっ。ちょっと … 」
そう言って席を外すと
彼女たちはまだ私をちゃかしている。
急ぎ足で廊下に出ると、その着信を取った。