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大きな瞳に映るのは
第22章 彼の思考回路



『 っ… ?! 』


なんとか資料はぶち撒くことなく
私の腕の中に納まっていた。


「 すっ … すいま

『 あれ …? 木下じゃん 』


顔を上げるとそこには蒼真の姿があった


「 なんだぁ。蒼真かぁ~ 」


ビクビクとしていた心臓が一気に落ち着く。
怖い先輩とぶつかったりしたら
それこそタダじゃ済まされないと脳裏をよぎったから。


『 木下。ちゃんと前見て歩けよ
  この前も橘にぶつかってただろ。 』

「 んう … ごめん … 」


少し怒ったように蒼真が私に言葉を投げる。
前は向いているんだけど。
なんて思いながらも申し訳なくなり
俯き加減で謝る。



『 … ? 木下音夢? 』


そしてその声は突然蒼真の後ろから現れた。


遙だ。

きょとんとした表情でこちらを見ている。
口元には棒付の飴玉。
そして蒼真に近づくと、蒼真に右手を差し出した。


『 これ!ちょーうまいんだけど! 』

『 何? 欲しいの? 』

『 そう!まじうまい! 』


目を輝かせながら蒼真に頼み込む遙
本当に小学生みたいだ。


『 今日はこれがラス1だから 』

『 さんきゅーっ! 』


満足げに遙が飴玉を受け取る
少しだけ羨ましいな、なんて。

じゃあ俺購買行くから、と蒼真はその場から離れて行ってしまった。


蒼真の後姿を見送る。



『 木下音夢。それ。どこもってくの? 』


ハッとして後ろを振り返ると
大きな瞳で私を見つめる遙と目が合う。
飴玉を口の中で転がしているのがわかる。


「 あ … これ視聴覚し …

『 へぇー 俺も今から視聴覚室 』

「 え? なんで? 」

『 はい、これ 』


私の言葉を無視して遙が差し出したのは
さっき蒼真からもらった飴玉だった。


「 え?いいの?くれるの? 」

『 食わないの? 』

「 ほっ … ほしい! 」


私の大好物だ。いらないわけなんてない。

でも資料で両手が塞がっている。
どうしようかとその資料に目を落とした。


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