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大きな瞳に映るのは
第23章 関係



おいしかった、と
フォークを置く。
楽しい食事の時間に終止符を打った。

片付けは私がやるから、といって
席を立ちお皿を片付け始める。

それに気を遣うことなく
ありがとうとだけ言った遙は
リビングのソファに座り
録画していた映画を見始めた。


対面キッチンから見えるその後ろ姿は
本当にただの高校生なのに。

こんなに魅力的な人がいたなんて、と
改めて感じる。


片付けだけは慣れていた私は
ささっと洗い物を済ませると
ポットでお湯を沸かし始めた。
麦茶がもう残り少なくなっていたから。


「 ハル、お茶っ葉どこ? 」

『 上の棚 』


そう言われ上の棚を見上げる。
背伸びをして指先で扉をクイッとあけると
麦茶の袋が置いてあるのが見える。

再び背伸びをしてその袋を取ろうとするが
僅か数センチが届かない。


『 凄い顔。』

ぷっと笑いながら遙が私の事を見ていた。


「 っこんな高いとこに置くのが悪い… 」

『 チビー? 』


笑いながら遙は立ち上がると
私の方に近づく。
そしてその棚に置いてある袋を
難なく手に取ると、はい、と渡してくれた。


『 今度場所移しとく 』


そういって再びソファに戻ると
流していた映画を見始めた。



( … 今度場所移しとく、か )


その意味ありげな言葉を
自分の心の中で何度も言い聞かせた。


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